雪の思い出
万年せんべい布団である我が部屋の寝床から抜け出し目をこすりながら窓を開けてみると
そこは雪国だった。
北国の方には珍しくない光景なんでしょうけど、昨日まで大都会池袋に住んでいた身としては寒いとは言え急に雪がここまでつもったのは予想外というか、びっくりというか。
どうやら全国的な寒波もあるそうですが東京も数十年ぶりの大雪とか。確か去年も雪積もってたけど今年はふらないかなと思ってたらこの有様。全く地球温暖化はどうなってるんだと思って冷蔵庫に向かったら中身は空っぽでした。
さて子供の頃なら雪が積もっているとわかれば外に出てヒャッハーと遊びまわってたでしょうけど、僕は既に
27歳。今年で28になるというアラサーです。
正直外に出るのも面倒くさいんですよ。なのに冷蔵庫の中は空っぽ。
僕もどこかの水族館の大グソクムシみたいに絶食にチャレンジしようか迷いましたが、腹は減ってはネットも
出来ぬ。
子供の頃だったらどうして良いかわからなかったでしょうが今は立派な大人です。
なのでデリバリーピザを頼むことにしました。
台風の日もそうですけど、配達する人の苦労も考えると2倍も美味しくなる気がするのでこういう日こそ
むしろ積極的にピザを頼むべきです。
そう思って愛用してるドミノピザを頼もうとしたら
やってない
まさかのデリバリーピザが配達できないという事態に。代わりにデリヘルでも頼もうかと思いましたが、
今欲しいのはお姉ちゃんじゃなくて食べ物です。
だけど調べるとピザーラだけは僕の住んでるとこでもやってました。
ピザーラ「ドミノ・ピザがやられたようだな…」
ナポリの窯「フフフ…奴は宅配ピザの中でも最弱 …」
ピザハット「積雪ごときで宅配中止とは宅配ピザの面汚しよ…」
と思ってTwitter見ると場所によってはやってない宅配ピザもあったみたいです。
でもピザーラはやってたのと家から近かったので大丈夫かと思い電話をしてみました。
「もしもしピザーラです」
「あ、ピザ欲しいんですけどやってますかね」
「あーお客さんのいるとこピザ配達できなくなってるんですよね。良かったら取りに来てくれませんか?」
え?
まさかの自分がピザをデリバリーする目に。
どうやら電話する数時間前までは僕の住んでる場所まで宅配してくれてたみたいですが夜になってから
ダメになったとか。
諦めようかと思いましたが、今まで僕が台風の中宅配ピザを呼んできたカルマを背負わなければならないと思い取りに行くことにしました。幸い家からピザーラまで20分以内で着くと思い外に出たら
寒い
寒いよママー
と泣きそうになりながら歩いてたら雪だるまが
ふとね雪だるまを見てると昔のことを思い出してしまったんです。
昔付き合ってた彼女がいて結婚を約束していたんです。
まだお互い若い頃の約束だったんで、ままごとみたいなもんでしたけど、彼女は結婚願望あって
僕もまだ働いてなかったけど彼女のためならワタミの正社員でもしてもいいかもと思うくらい好きでした。
だけど些細なことで喧嘩になって、そこからすれ違うようになってしまったんですよ。
今思えばどっちかが折れていれば簡単に仲直りできたかもしれない。でもこっちからは謝りたくなかったし
向こうからもそれについて何も言わなかった。そんなある日彼女からメールが来て「別れよう」と。
これを見て彼女の部屋にまで向かったけど肝心のドアを開けることが出来なかった。
だけどこのまま帰ったら大事なものを無くしてしまいそうだった。
その日は寒くて雪がたくさん降ってる日でした。見るとうっすらと雪が積もり始めてる。
吐く息も白くなって帰ろうと思った前に薄く積もってる雪を集め小さな雪だるまをつくったんです。
中に彼女に渡す予定だった指輪を入れて。
そして、そのまま僕は帰りました。次の日にどんなメールの内容が来ても後悔しないようにと。
ふふ、すいませんね。急に甘い話をしてしまって。いや雪を見るたびにそのことを思い出してしまってね。
嘘って思う方もいるかもしれないのでその時作った証拠の雪だるまを見せますよ。
その時作った雪だるまがこれでした。
うん全部嘘です
ワタミの正社員で働いてもいいとかもうそこらへんのくだりも含めて、オール嘘。
結婚を約束した女の子がいたってのも彼女の部屋の前で雪だるまコネコネしたのも嘘嘘。
佐村河内並に全部嘘でした
第一ワタミで働くなら一生ニートしてますよ僕。
本当なのは今こうやってピザ取りに行ってることくらいですよ。
でも帰りに近所の親子連れが雪だるまをきゃいきゃい作ってるの見ると少しだけ結婚してもいいかなと
思ってしまいました。
あと苦労して取りに行ったピザは冷めたのかもちゃもちゃしててあまり美味しくなかったです。
さて明日の都知事選挙にドクター中松に投票しないといけないのでここら辺で寝ます。
また明日。
近所に作られてた可愛らしい雪だるま